OHVエンジンのナックルヘッドエンジン

世界的に知名度の高い大型自動二輪を発売しているハーレーですが、動力源となるエンジンの開発にも力を入れています。

ハーレーは1929年に、フラットヘッド・エンジンを搭載したバイクを販売していましたが、他のメーカーに追随する形で登場したエンジンが、ナックルヘッドエンジンです。
1936年に初めてナックルヘッドエンジンが搭載された、988ccタイプのEとELが、ハーレーにおける代表的なラインナップとなっています。しかし、初期のナックルヘッドエンジンは、オイル漏れが起きやすく、メカ・ノイズと呼ばれる騒音も大きくなってしまうといった欠点がありました。

そうしたナックルヘッドエンジンの欠点は、技術の向上に伴い克服されていき、1941年に1,200ccタイプのFとFLというラインナップが発売されました。エンジンの排気量をアップさせる方法により、最高速度が従来の時速150キロメートルから160キロメートルとなり、走行速度の向上に貢献しています。
1947年にナックルヘッドエンジンを搭載したバイクの製造は終了しましたが、現在でもバイクショップでは中古で販売されています。11年という製造期間の短さという事情もあり、一部のハーレー専門店では、おおよそ600万円以上という高値がついています。

ハーレーを含むバイクメーカーは現在、ダブル・オーバー・ヘッド・カムシャフトというエンジンを搭載しているラインナップが主流となっています。
ナックルヘッドエンジン独自の音や、ハーレーの高いブランド力も手伝って、ハーレーファンの間では根強い人気があります。